前回までは、英語の土台となる「発音・文法・頻出単語」を勉強してきました。今回からは、TOEIC教材を使った勉強をしていきます。TOEICを1度も受験したことがない方も、現在500点以下の方も、ここで紹介する勉強法で、500点を突破しましょう。
本題に入る前に、TOEICで英語の勉強をするのは「安くすみ、効果があるし、面白い」ということについて見ていきましょう。
TOEICは、独学の味方
最初から英語が出来る人はいません。私が学生のとき受けたTOEICは「325点」でした。(以下のスコアシートは2005年のもので、今のスコアシートとは大分違いますね)
「なぜ受験したのか?」は思い出せないのですが、ハッキリ覚えているのは、この頃はTOEICを「単なるテスト」としか思っていなかったということです。この後10年以上、TOEICの本当のメリットを知らずに過ごすことになるとは・・・・
お金のかかる英語教室に行かなくても、TOEICは我々の弱点を「ある程度正確に」教えてくれます。このフィードバックがあるお陰で、効果的な独学が可能になります。先生もTOEICも利用しないでの独学は、自分の弱点が放置され続ける危険性がありますし、なにより「成長した」ことを客観的に評価してもらえません。褒めてもらえたり、点数があがったりすれば、人はどんどん楽しくなって、自然に勉強を続けていきます。
英語教室や留学よりも、お金がかからない。
成長を実感できれば、勉強を継続するようになり、英語力が自然と上がっていく。
さらに、TOEICは「ゲーム」として良く出来ています。任天堂の宮本茂さんがインタビューで、こんなことを話していました。
出来の悪いゲームって、ミスした時『いまのおかしいでしょ。俺ミスしてないぞ』と、
ゲーム側が悪いと感じ、ストレスたまりますよね。TOEICには、この面白くなるための条件が揃っていると思います。
TOEIC 300〜500点台の方に最適な勉強法
TOEICは試験である以上「試験力」が求められます。TOEIC以外の教材で勉強して、せっかく英語が上達したのに、期待したほどのTOEICスコアが取れず、悲しい思いをする方もいます。
誤解されないように急いで補足すると、英語力を上げるのが一番大切です!「試験力」はあくまで、本番で本当の力を出し切るためのものです。
英語力 ✕ 1.2(試験力) =実力以上の点数
英語力 ✕ 1.0 =力を出し切った点数
英語力 ✕ 0.8=本来の力が出ていない点数
その「試験力」を上げる方法と、TOEIC自体に詳しくなれるのが、この『TOEICテスト いきなり600点!』です。
この本を読み終わった後『TOEICって、攻略性のあるゲームみたいだ』と思うようになり、はやく試験を受けたいという気持ちになったのを覚えています。
この本には「試験力」を上げるためのノウハウが、イラスト付きで分かりやすく書かれています。試験力について、この1冊で十分知ることができます。
問題自体も、奇をてらわず正統派なものばかりなので安心して取り組めます。公式問題集を買う前に、これを買ってよかったと思える一冊です。
この本のオススメの使い方は、
Step1:問題を解かずに、すぐ正解を見る
Step2:最後まで読んだら、次は記憶を定着させるために「実際に解く」
Step3:解いたら直ぐに答えを見て復習
Step4:次は間違った問題だけ解く
Step4の後は1週間以内に復習をしてください。そうすることで次からの復習時間が短くて済みます。2週間もあけてしまうと、ほとんど忘れてしまい、復習する時間が最初と同じぐらい長い時間がかかってしまいます。この「復習するタイミング」は、800点を超えるまで非常に重要になってきます。1週間のうち1日1日違うことに取り組むよりも、同じことを復習するぐらいでないと『記憶の定着』がおこりません。社会人の方は、時間も無いですし、最短で目標を達成したいはずでしょうから『復習のタイミングを先延ばしにしない』ことをルールにするのが重要です。
『文法特急』でPart5を得意なパートにしよう
この『文法特急』は、Part5とPart6だけを扱った本です。
この本、700点過ぎたあたりで買ったんですが、早く買っておけばよかったと後悔しました。こんな風に1ページに「1問」だけなので、あっという間に終わります。
この本の偉大なところを説明すると、他の本だとPart5を解くときに、
・品詞問題
・動詞の形問題
・前置詞or接続詞問題
・語彙問題
などなど、5種類前後のタイプ別の解き方などを解説してくれます。
この方法は高いスコアになると役に立つのですが、スコアが低いうちは試験中に混乱してしまうことがあります。『問題よりも、解き方でパニックになった』という状態です。
それでは『文法特急』は、どうかというと、Aアプローチ/Bアプローチの2つだけ考えて問題に向かえと教えてくれます。なんと、たった2つです。これによって、問題を見た瞬間、迷う時間が短いので解くスピードが早くなり、さらに理にかなった解き方なので正解しやすくなります。
私は、一番最初に この解き方を身につけてから他の本のPart5に取り組みたかったと後悔することになりました。皆さんには早い段階で身につけることをお薦めします。
銀のフレーズを終らせよう
上の2つと並行して取り組みたいのが、既に手元にある『銀のフレーズ』の残りです。
既に400語をやってしまったので、あとは600語だけです。
さらに効果をあげるために『試験が迫っている』と思いながら読んでみましょう。不思議と覚えやすくなりますよ。これが試験日の前日になると、脳がスポンジのように単語をグイグイ覚えてくれます。このゴールデンタイムを利用しましょう。
試験前に『公式問題集』のTEST1だけやってみる
ここまでくると、勉強時間の合計は「100時間」に近づいているかもしれませんね。もうとっくに100時間を超えている人もいるかもしれません。「英語を勉強する習慣」が出来きたわけですね。もう成功したも同然です。自信を持ってこのまま進みましょう。
第一回目の試験まで、あと何日ありますか?
1ヶ月〜2週間前ぐらいから『公式問題集』のTEST1に取り組みましょう。最新のものを選んで購入するといいでしょう。
※2019年6月21日に「問題集5」が発売されました
最新のものであれば、本番の試験と「問題の傾向」が似ていますし、同じナレーターが本番でも登場するので、声を聞き慣れておくとスコアアップに繋がります。
もし、あなたが落ち込みやすく、落ち込むと能力が下がるタイプでしたら、いきなり問題を解かずに、別冊『解答・解説』を先に見て下さい。
逆に、落ち込まないタイプでしたら、『公式問題集』のTEST1を、本番と同じ2時間で、本気で解いてみてください。終わったら、すぐに答えを見て「単に知らなかったのか/勘違いしたのか」をメモしておくと復習が楽になります。
どちらの「進め方」であっても重要なのは、答えを覚えることです。
英語は暗記科目です。算数のように、初めて見る問題を「解く」科目ではありません。答えを見ること・覚えることに罪悪感を感じないでください。真面目な生徒さんほど『何度もやると、答えを覚えてしまうんですけど、いいんですか?』という相談をしてきます。もちろん良いんです!
TEST1の「解答・解説」を読み切るだけでも、かなり疲れると思います。今までの「教材への接し方」と同じように、1度で無理して覚えないで、何度か読んでいるいるうちに理解する覚えるぐらいの気楽さで進めていきましょう。
ある程度、理解できたと思ったら、この「TEST1」を、本番と同じ気持ちで、2時間連続で解いてみましょう。解き終わったら、忘れないうちに「試験中の自分の動き」を振り返ることでも試験力は上がっていきます。