第5回目の「G検定」が、7月6日(土)に行われました。
周りで受験した方達の合否の結果・勉強方法・勉強時間なども踏まえて、今回の試験の特徴や難易度などを考えてみたいと思います。
※1問目から226問目までを「リスト」にしました。下の方にあります。
難易度は、第1回目から変わっていません。
内容もあまり変わらず、「機械学習とディープラーニングの概要と様々な技術」、「AIの歴史」が定番問題として出題され、「AIの各種サービス・法整備」についての問題、「ITの基礎知識」を問う問題、そして数式問題が出題されました。
不合格でも、落ち込こまないで
今回、合格率が「71.3%」で、Twitterのタイムラインには『合格しました』というコメントが多かったため、不合格だった方は落ち込んでしまうかもしれませんが、あまり落ち込む必要はありません。
なぜなら、G検定は「難しい試験」だからです。
現に、取引先の方で『G検定 公式テキスト』と『徹底攻略 G検定 問題集』の2冊だけ読んだという方は、不合格になってしまいました。既に業務でAIの仕事をされている方です。
逆に、合格された方のブログには『模擬問題の正解率が98%になるまで勉強した』『模試の正解率を9割程度になるまで、10回以上繰り返した』と書かれていたり、公式テキストの要点を紙に書き出して理解しようとした方もいます。
ここから分かるように、AIに関わっている人であっても、試験対策が足りないと合格できない試験です。私も第1回目の試験は不合格でした。第1回目と第2回目は、公式テキストと問題集が無かったとはいえ、「体系的に理解しておく」「タイムマネージメントを検討しておく」という試験対策が足りなかったと反省しています。
次回こそ、合格するために
私が教えている方たちに、受験全体を録画してもらい、休み明けに答え合わせをしてもらいました。そこから、大きな特徴が見て取れました。
「人に説明できるぐらいの理解度まで持っていけた方は、半分以上ある定番問題については問題を読むスピードも早く、一瞬で答えている。結果として30分以上時間が余っている」
この方々は、暗記するというよりも、理解することを目標にして「他の書籍やネットでも調べる」という取り組みをしていました。
早い段階で、問題集とオンライの模擬試験を解いて『こういうところが試験に出るのか』と、G検定が大切にしているエリアを掴んでしまいましょう。そのエリアに関して「公式テキストを読んでも、理解しづらい」ところが出てくるので、以前紹介した書籍や本へ進んでいってください。
確かな「理解」が出来ていれば、問題の文章がどのように変化しても、1問15秒以内で解けるようになります。さらに、定番問題は半数以上を占めるので、本番で時間管理で失敗することもありません。
「理解する」ことが、この試験の本当の目的になります。
『自信なかったけど、合格してました』となってしまって勉強を止めてしまってはそれこそ損です。
自信を持ってお客様に説明できるようになったという、うちのスタッフは、普段の情報収集やエンジニアとのやり取りでも、受験後に大きな変化があったと言っています。
全226問 問題リスト
下のリストについて説明します。
■「問題」・・・・問題自体書いてしまうと「禁止行為」に触れてしまうので、問題のカテゴリーのようなものを書きました。
■「対策」・・・・紹介した勉強をしておくと解ける問題を【 ○ 】としました。より踏み込んで情報収集するなり、掘り下げた対策をしておく必要がある問題を【 d = deep 】としました。
■「間違いを選ぶ」・・・・『正しくない~/不適切な~/関連のない~/指していない~/含まれない~選択肢を選べ』という問題に、チェックマークを付けました。
番号 | 問題 | 対策 | 間違いを選ぶ |
1 | AIの歴史 | ○ | |
2 | AIの歴史 | ○ | |
3 | AIの歴史 | ○ | |
4 | ネットワークの名称 | ○ | |
5 | ネットワークの名称 | ○ | |
6 | AIの歴史 | ○ | |
7 | AIの歴史 | ○ | |
8 | 知識表現 | ○ | |
9 | 知識表現 | ○ | |
10 | DLブームの理由 | ○ | ✔ |
11 | ディープブルーの話 | ○ | |
12 | ディープブルーの話 | ○ | |
13 | 用語の意味 | ○ | ✔ |
14 | チューリングテスト | ○ | |
15 | イライザ | ○ | |
16 | モラベックのパラドックス | ○ | |
17 | DLの説明 | d | |
18 | 自己符号化器の説明 | ○ | |
19 | 統計的機械翻訳 | d | |
20 | ローブナーコンテスト | ○ | |
21 | 意味ネットワーク | ○ | |
22 | Cycプロジェクト | ○ | |
23 | シンボルグラウンディング問題 | ○ | |
24 | フレーム問題 | ○ | |
25 | DLによって発展したもの | ○ | |
26 | 知識獲得のボトルネック | ○ | |
27 | 改正著作権法 | ○ | |
28 | 法律問題 | d | ✔ |
29 | 自然言語処理の産業応用例 | ○ | |
30 | 学習済みモデルの管理保護 | ○ | |
31 | 自動運転 | ○ | |
32 | 自動運転 | ○ | |
33 | 自動運転 | ○ | |
34 | 自動運転 | ○ | |
35 | 損害の責任 | d | |
36 | AIの倫理的な問題 | ○ | |
37 | Googleフォトの問題 | ○ | |
38 | 自動運転 | d | |
39 | アメリカの自動運転 | d | |
40 | 個人特性や行動特性に関する法律 | d | ✔ |
41 | 自立型致死兵器 | ○ | |
42 | 無料プラットフォーム | ○ | |
43 | 無料プラットフォーム | ○ | |
44 | 無料プラットフォーム | ○ | |
45 | 無料プラットフォーム | ○ | |
46 | EU一般データ保護規制 | ○ | ✔ |
47 | 韓国科学技術院KAISTの問題 | ○ | ✔ |
48 | データやモデルの保護 | d | |
49 | データやモデルの保護 | ○ | |
50 | システム開発時の委託者と受託者の義務 | d | ✔ |
51 | ディープラーニングの説明困難性 | ○ | |
52 | DARPA | ○ | |
53 | データ管理の仕組み | d | |
54 | データ管理の仕組み | d | |
55 | AIの開発速度向上のエコシステム | d | |
56 | パートナーシップAI | ○ | |
57 | 全世界でAIに携わっている企業 | d | |
58 | 殺人ロボット3段階 | ○ | |
59 | FATという研究領域 | ○ | |
60 | FATという研究領域 | ○ | |
61 | FATという研究領域 | ○ | |
62 | AIの社会実装に向けた課題 | ○ | ✔ |
63 | 教師あり・なし・強化学習の説明 | ○ | |
64 | 教師あり・なし・強化学習の説明 | ○ | |
65 | 教師あり・なし・強化学習の説明 | ○ | |
66 | 協調フィルタリング | ○ | |
67 | 内容ベースフィルタリング | ○ | |
68 | クラスタリング | ○ | |
69 | k-means法 | ○ | |
70 | アンサンブル学習の手法 | ○ | |
71 | 計算問題:分類問題のパーセプトロン | ○ | |
72 | SVMの説明 | ○ | |
73 | SVMの説明 | ○ | |
74 | SVMの説明 | ○ | |
75 | SVMの説明 | ○ | |
76 | 計算問題:偏微分 | ○ | |
77 | トピックモデル・特異値分解を適用 | ○ | |
78 | トピックを潜在変数としてモデル化 | ○ | |
79 | 決定木の説明 | ○ | |
80 | 決定木の説明 | ○ | |
81 | 単純パーセプトロン | ○ | |
82 | 活性化関数 | ○ | |
83 | アフィン変換に含まれないもの | ○ | ✔ |
84 | ベイズ定理を示す数式 | ○ | |
85 | モデルの性能を向上させるための工夫 | ○ | |
86 | バギング | ○ | |
87 | ブースティング | ○ | |
88 | 過学習の対策 | d | |
89 | 過学習の対策 | ○ | |
90 | 汎化誤差 | d | |
91 | 汎化誤差 | d | |
92 | 汎化誤差 | d | |
93 | 評価指標 | ○ | |
94 | 評価指標 | ○ | |
95 | 評価指標 | ○ | |
96 | 評価指標 | ○ | |
97 | 自然言語処理分野 | ○ | |
98 | 自然言語処理分野 | ○ | |
99 | 自然言語処理分野 | ○ | |
100 | 自然言語処理分野 | ○ | |
101 | 自然言語処理分野 | ○ | |
102 | 教師なし学習 | ○ | |
103 | 教師なし学習 | ○ | |
104 | 計算問題:F値 | ○ | |
105 | 正則化について述べたもの | ○ | |
106 | スパースなデータ | ○ | |
107 | ロジスティック回帰の説明 | ○ | |
108 | ロジスティック回帰の説明 | ○ | |
109 | ロジスティック回帰の説明 | d | |
110 | 交差検証の説明 | d | |
111 | 交差検証の説明 | ○ | |
112 | 情報理論についての説明 | d | |
113 | 情報理論の説明 | d | |
114 | ディープラーニングの説明 | ○ | |
115 | ディープラーニングの説明 | ○ | |
116 | ノーフリーランチ定理 | ○ | |
117 | DNNの説明 | ○ | |
118 | DNNの説明 | ○ | |
119 | DNNの説明 | ○ | |
120 | ハイパーパラメータ | ○ | |
121 | 学習率 | ○ | |
122 | GPUの説明 | ○ | |
123 | TensorFlow | ○ | |
124 | Pytorch | ○ | |
125 | Chainer | ○ | |
126 | Define and Run | ○ | |
127 | 過学習の説明 | ○ | |
128 | 勾配降下法の説明 | ○ | |
129 | 勾配降下法の説明 | ○ | |
130 | データ母集団に対する誤差の期待値 | ○ | |
131 | 確率的勾配降下法 | ○ | |
132 | 逐次学習 | ○ | |
133 | ミニバッチ学習 | ○ | |
134 | バッチ学習 | ○ | |
135 | 勾配消失 | ○ | |
136 | 鞍点 | ○ | |
137 | DNNの説明 | ○ | |
138 | 自己符号化器の説明 | ○ | |
139 | 自己符号化器の説明 | ○ | |
140 | 自己符号化器の説明 | ○ | |
141 | イテレーション・エポック | ○ | |
142 | イテレーション・エポック | ○ | |
143 | カプセルネットワーク | d | |
144 | カプセルネットワーク | d | |
145 | データベース・並列処理の説明 | d | |
146 | データベース・並列処理の説明 | d | |
147 | データベース・並列処理の説明 | ○ | |
148 | バーニーおじさんのルール | ○ | |
149 | ジェフリー・ヒントンの開発 | d | |
150 | 過学習対策 | ○ | |
151 | 過学習対策 | ○ | |
152 | 過学習対策 | ○ | |
153 | 過学習対策 | ○ | |
154 | CNNの説明 | ○ | |
155 | CNNの説明 | ○ | |
156 | CNNの説明 | ○ | |
157 | RNNの説明 | ○ | |
158 | RNNの説明 | ○ | |
159 | RNNの説明 | ○ | |
160 | 強化学習の説明 | ○ | |
161 | 強化学習の説明 | ○ | |
162 | 強化学習で用いられる手法 | d | ✔ |
163 | 様々な活性化関数 | ○ | |
164 | 様々な活性化関数 | ○ | |
165 | 様々な活性化関数 | ○ | |
166 | 様々な活性化関数 | ○ | |
167 | tanh関数の説明 | ○ | |
168 | tanh関数の説明 | ○ | |
169 | LSTMの説明 | ○ | |
170 | LSTMの説明 | ○ | |
171 | ファインチューニングの説明 | ○ | |
172 | ネットワークの重みの初期値の説明 | ○ | |
173 | RNNの説明 | ○ | |
174 | 画像の前処理 | ○ | |
175 | 画像の前処理 | ○ | |
176 | 画像の前処理 | ○ | |
177 | 学習データが集まらない場合の対処 | d | |
178 | 学習率の説明 | ○ | |
179 | 学習率の説明 | ○ | |
180 | 学習率の説明 | ○ | |
181 | RNNの説明 | ○ | |
182 | 計算問題:CNNの出力画像のサイズ | ○ | |
183 | DNNの説明 | ○ | |
184 | インセプションモジュール | ○ | |
185 | Skip Connection | ○ | |
186 | RNNの応用モデル | ○ | |
187 | GANの説明 | ○ | |
188 | GANの説明 | ○ | |
189 | AlphaStarの重み更新 | d | ✔ |
190 | deep mind社の開発履歴 | d | |
191 | 自然言語処理・トランスフォーマー | d | ✔ |
192 | VAEと関連のない単語 | d | ✔ |
193 | 生成モデルと識別モデルの説明 | d | |
194 | t-SNEの「t」の説明 | d | |
195 | 物体検出の説明 | ○ | |
196 | セマンティックセグメンテーション | ○ | |
197 | OCRの説明 | ○ | |
198 | 形態素解析の説明 | ○ | |
199 | 構文解析 | d | |
200 | 分散表現 | d | |
201 | IOTの説明 | d | |
202 | エッジコンピューティング | ○ | |
203 | ロボティクス分野 | ○ | |
204 | ロボティクス分野 | ○ | |
205 | ロボティクス分野 | ○ | |
206 | センチメント分析についての説明 | d | |
207 | 含意関係認識についての説明 | ○ | |
208 | キャプション生成 | ○ | |
209 | スマートスピーカー・音声解析 | d | |
210 | スマートスピーカー・音声解析 | d | |
211 | 照応解析の説明 | d | |
212 | 談話構造解析の説明 | d | |
213 | AlphaGo | ○ | |
214 | 強化学習の動向 | ○ | |
215 | 物体認識 | ○ | |
216 | 物体認識 | d | |
217 | 物体認識 | d | |
218 | DNNの応用 | ○ | |
219 | 画像処理に関連する技術 | d | |
220 | Word2Vecの説明 | ○ | |
221 | Word2Vecの説明 | ○ | |
222 | 言語処理技術 | d | |
223 | 言語処理技術 | d | |
224 | データ量の単位 | d | |
225 | 強化学習のSARSA学習 | d | |
226 | 行動価値関数Qの説明 | ○ |
dを付けた問題は「49問」、計算問題は「4問」、間違いを選ぶ問題が「13問」でした。そして、選択肢の中に『上記すべて~』があり、それが正解となった問題が「3問」ありました。
計算問題は、解くテンポが崩れるので「チェックマーク」を付けて、最後に解くといいでしょう。最悪時間がなくて、解けなくても4問程度です。
11月の試験は、狙い目
G検定は、今後、試験形式や内容が大きく変化していく可能性があります。
合格率が高すぎて不満の声も上がっているので、合格ラインが上がる可能性もあります。
2019年最後の「11月」の試験は、まだそのような変化は「無い」と予想しますので、ぜひ11月の試験で合格を果たしてください。