はじめに

G検定とTOEIC:2つで得られるメリット

G検定とTOEICの2つで得られるメリット

G検定(ディープラーニング・ジェネラリスト検定)は、2017年に出来たばかりの試験で、まだ4回しか行われていません。なので、知らない人も多いと思います。それに対してTOEICは・・・説明不要ですね(239回実施され、毎年250万人ほどの人が受験しています)

G検定は「情報が少なすぎる」のに対して、TOEICは「情報が多すぎ」て困るという状況になっています。TOEICは、多くの企業が採用や昇進の判断材料の一つにしていることから【評価されているテスト】と言っていいでしょう。G検定の「評判」はというと、検索すると分かりますが、受験した方の多くが『いい試験だった』とコメントしています。私も、受けた後は『これはいい。社員の方がAIの勉強を始めやすくなるぞ』と少し興奮しました。

今回は、この2つ「G検定とTOEIC」を、両立するメリットについて書いていきます。

5つあります。

 試験は「体系的に学べる機会」と「やらなければならない環境」を生む

 英語学習だけ、むやみに時間をかけすぎることを防ぐ

 英語「を」学ぶよりも英語「で」学ぶことで、より習得が早まる

 学習を長く継続するための「自分を納得させる強いテーマ」が出来る

 AI研究を知れば「英語を勉強するのは無駄ではない」ことが分かる

1番目のメリットですが、
特に「人工知能の勉強法」について情報が少なすぎるので、何から始めたらいいのか分からないと思います。2018年の10月に『G検定 公式テキスト』が発売されたことで、悩むこと無く勉強をはじめられる環境ができました。すでにAIに関わっている私のような人間は、自分が関係するAIの知識はあるものの、それ以外の勉強が疎かになっていたりします。G検定という「試験」が出来たお陰で、普段学ぼうとしないところまで勉強することになり、結果としてAI全般の知識が体系的に整理されて、仕事がしやすくなりました。

英語も、TOEICや教師からのフィードバック無しに自己流で勉強し続けると、能力や知識が偏っていく危険性があります。お金をかけたくないひとは、せめてTOEICを受けて自分の弱点を把握しながら勉強していくことをお薦めします。

突然ですが、みなさん試験好きですか?もし嫌いだとしても、試験と聞くとスイッチが入りませんか?試験は「やらなければならない環境」を強制的に作り出してくれます。しかも誰でも簡単に手に入ります。『英語を使わなければならない環境に身を置けば、誰でも出来るようになる』というものの、海外で生活するのも、そのような仕事をゲットするのも簡単ではないですからね。

ディープラーニングG検定公式テキスト

2番目のメリットは、
「英語の勉強を本格化させた人」へのメリットになります。まじめな人は「10時間、まるまる時間があったら」それを全部使って勉強しようとします。しかし、その10時間かけた勉強内容は、5時間でやるぞと決めてやってしまえば「やれてしまう」のです。いわゆるパーキンソンの法則というやつですね。私は、TOEICとG検定を並行することにしてから「勉強の密度」が、グッと上がりました

もし「学習を始めたばかりの人」なら、勉強の密度は気にしないで、時間を長くすることを大切にしてください。長く勉強していけば、自然と勉強の質は良くなっていきます。『今日は、英語をやりたいから、全部時間使っちゃおう』となってしまってもOKです。

 

3番目のメリット英語「を」学ぶよりも英語「で」学ぶことで、より習得が早まる』について説明します。私がTOEICの勉強だけしていたとき、900点を超えることが出来ませんでした。それで一旦TOEICの勉強をやめて、海外のAIの記事を漁ったり、海外ドラマを英語音声・英語字幕見たり、スタンフォード大学の機械学習の講座を英語で受けたりした後、すんなり「935点」が取れました。

元イェール大学助教授の斉藤淳さんは、こう書いています

 決して効率が良かったとは思えませんが、自分自身の英語学習歴を振り返ってみて思うのは、英語自体を「学ぶ」期間は最小限にし、「英語を使って別の何かを学ぶ」「英語のコンテンツを英語で楽しむ」というスタイルにすぐ切り替えたのが良かったと思っています。

『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』

世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法

続いて、4番目のメリットについてです。
勉強を長く続けていると、誰しも不安に思うことがあります『別のことに時間を使ったほうが良かったんじゃないだろうか?』と。その不安を気にせず続けられる人なら問題ないのですが、その不安が強くなってしまって諦めてしまう人もいるでしょう。そういった不安に負けないためにも、英語以外の目標を持ち、その2つを連動させ、2つが世の中から価値のあるものと認められていると納得できればいいわけです。人工知能に関わる能力は、間違いなく必要とされている能力ですし、英語もAIのような最新技術や最新動向を学んでいくうえで大きな力になってくれます。

 

最後に、5番目のメリットです。
人工知能を勉強をしていくと、今のAIは、本当の意味で「言語を理解する」ことは難しく、それを実現しようと多くの研究者が取り組んでいることが分かっていきます。AIが言語を理解できるようになった後の世界でも英語は話され続けますし、人がAIを介さずに人と直接やり取りしたいという欲望はなくならないでしょう。そして、最新の人工知能の研究論文の多くが「英語」で書かれています。誰かが日本語化してくれるのを待っていては折角のビジネスチャンスを逃すことになります。その論文をヒントにして、いち早く商品化するぐらいのスピード感がなければ生き残ってはいけません。Google翻訳はあくまでアシストツールなので、正確に読むためにも自分の英語力は高めておいたほうがいいでしょう。

以上になります。
次は、日本国内の「AI人材育成の動き」を見ていきましょう。