勉強法

英語の勉強を始めるなら、この3つで決まり

英語学習の最初に取り組む3冊

英語の勉強をはじめようと思い立っても、『何からはじめればいいの?』と悩んでいる方は

発音・文法・頻出単語 の「3つ」から始めましょう!

人間の言語習得を研究する先生方や、英語の先生の多くが同じ考えをもっています。『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』にも、こう書かれています。

最も効率的な語学習得法については、実のところ、もうすでに一定の「答え」が世界的に確立されています。(中略)『語学の入門は発音から。』(中略)『何よりも優先して発音をやりましょう』ということは先に述べたとおりですが、その次に文法を固めることが、短期間で一気に英語力をつける際の秘訣なのです

斉藤 淳『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』

「この3つ」に取り組むことで、英語力の「土台」が強固なものになり、800点までスムーズに駆け上がっていくことができます。

それでは、さっそく詳しい勉強法を説明していきます。

 

薄くて、簡単に読める本を、教材にしよう

使用する教材は全て「薄い」です。しかも、どの本も説明が分かりやすく簡単に読むことができます。

①『英語耳』第5章まで
②『一億人の英文法』Chapter1の最後まで
③『TOEIC 銀のフレーズ』 基礎の400語まで

『一億人の英文法』は厚い本ですが、Chapeter1までだと、この薄さです。

一億人の英文法の厚み

『銀のフレーズ』も「基礎の400語」までだと、この薄さ。

金フレの厚み

『一億人の英文法』と『銀フレ』の残りのページは、後から使うので安心してください。

英語の勉強をはじめたばかりの人に対して、『TOEIC公式問題集だけ、やればいいよ』という人がいますが、私は反対です。英語の勉強をはじめたばかりの方に最適な「TOEIC教材」はまだ世の中にありません。

『TOEIC公式問題集』は、この土台作りの後からはじめた方が効果的なので、今は焦らなくて大丈夫です。

もし500点以上を持っている方も、この土台作りを今のうちにやっておくことをお薦めします。「土台となる部分」がグラグラな状態で、頑張って上へ上へと積み上げていっても、800点の前で頭打ちになってしまう人が多いためです。それで結局、この「3つの学習」の重要性に気づき、戻ってくることになってしまいます。

 

発音は『英語耳』で学ぶ

発音を少し学ぶだけで、リスニング力が向上します。本当です。この段階で「発音を完璧にする」必要はありません。英語を聞き取れるようになるために、発音の基礎を学ぶと考えて下さい。

それには『英語耳』を使います。

私はこの本の「効果」を実感して、新しい方の「改訂版」まで購入してしまいました。今なら「改訂版」だけ読めばOKです。

英語耳2冊

使い方を、順を追って説明します。

内容を覚えようとしなくていいので、サラッと読む

第2章の31から59ページまで、音声を聴きながら「真似て」声を出す

次の日は、第2章を復習し、第3章に取り組くむ

次の日は、第2章と第3章を復習し、第4章と第5章を取り組む
(第5章の「音声変化編」のパターンは無理して覚えなくても大丈夫です)

第2章から第5章まで繰り返し声に出す
(ここからは毎回、発音記号を意識して見るようにします)

何度も練習して飽きてきたら一旦終了、時々この練習に戻ってくればOK

何度も読んでいくうちに、自然と発音記号を覚えていく

口(クチ)が発音の形を「ある程度」覚えている状態になったら卒業

発音記号を覚えることで、あなたの脳が、英語のそれぞれの音を意識して聞き分けようとしはじめます。それがリスニング力の向上につながっていきます。

おすすめの発音改善法があります。それは発音記号をしっかりと読めるようになること。(中略)発音記号を理解できるようになると、それぞれの音を意識的にしっかり区別しながら聴いたり発音したりできるようになります。

斉藤 淳『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』

「発音記号を覚える」メリットが他にもあります。辞書や単語帳には、必ずといっていいほど「発音記号」が書かれていて、音源がなくても、この記号から「正確な音」が分かるようになります。

Weblioの発音記号

今後は「単語を覚えていくとき、発音も一緒に覚える」ようにしていきましょう。

なぜかというと、その都度「発音」と一緒に覚えたほうが記憶に残りやすく、リスニング力もあがるからです。単語のスペルだけ先に覚えて、その後「発音」を覚えるという順番では、膨大な数の単語を2度に分けて覚えるという効率の悪い(時間がかかる)やり方になってしまいます。

話を『英語耳』に戻しましょう。

この『英語耳』の作者、松澤喜好さんは、この本の中で「歌を使った練習」や「英文読書」を薦めています。これらは、いつでも出来るので、TOEIC800点を急ぐ方は、この次の文法へ進みましょう。

 

文法は『一億人の英文法』で学ぶ

もし『一億人の英文法』が私の学生時代にあったら、こんなに英語で苦労はしなかったでしょう。私は今まで「文法で」何度も挫折してきました。今までに買った文法の本はこんなにあります。

多くの文法本

しかし、本屋でこの『一億人の英文法』の最初だけ読んだら『あ~、英語ってそういう仕組みなのね』と、ストンと腹落ちしました。

この本は分厚いです。文法「辞典」としての役割もありますから、この厚さなんです。この文法書は、他の本とは違い「読み物」としても楽しめる構成になっています。大西先生も、まずは全部読み通すことを薦めておられますが・・・・・今はChapeter1までにしておきましょう。

本書は、英語を理解する為に最適な順に項目を並べています。Chapter1が最も本質的で重要な章。この箇所だけでも読み終われば、英語がグッと身近に感じられるはずです。

大西 泰斗、ポール・マクベイ『一億人の英文法』

この本の使い方は「Chapter1まで読む」だけです。

なので、「文法」の勉強は直ぐに終わってしまって物足りなさを感じる人も出てくると思います。『一億人の英文法』を読んで「なんだ、文法って面白いじゃん」と火がついた方は、そのまま読み進めてもOKです。しかし、670ページもあるので無理だけはしないでください。嫌になって他のトレーニングも止めてしまっては元も子もありません。

『もっと文法を勉強したい』という方のために、ちゃんと用意しています。

『一億人の英文法』を670ページ丸ごと読むよりも、挫折しないで「文法」を身につける方法です。かなり詳しく説明したかったので、以下のページにまとめました。

瞬間英作文で文法を学ぶ
確実に、英文法を身につける方法私は過去に5回、文法書を買っては挫折しました。 もし同じ経験がある方であれば、今回紹介する勉強法が役に立つと思います。 挫折...

 

単語は『銀のフレーズ』で学ぶ

それでは、3つ目の「頻出単語」に進みましょう。

『単語帳は不要です。わたしは単語帳を使わずに900点とりました』という意見があります。確かに、単語帳を使わないといけないわけではなりません。

しかし、以下の理由で「単語帳は使ったほうが、得だ」と考えます。

・学習初期は、単語帳を使ったほうが効率的に進められる人が多い
・これがテストに出る!とスケベ心に火をつける本なら、やらないのは損
・複数の意味がある単語の「TOEICでのコアミーニング」が分かる

コアミーニングについて簡単に説明します。辞書をひくと、日本語で「意味」が多く書かれていますよね。単語は、その単語が使われる状況や文型などによって、意味が変わります。TOEICは、似たようなシチュエーションが出てきます。「空港」だったり「ホテル」だったり。そういった場所での会話で、出てくる単語の意味は「だいたいコレ」と決まっています。今は、コアミーニングはそんなものと捉えておけば大丈夫です。

『銀のフレーズ』と『金のフレーズ』は、TOEICと冠しているだけに、TOEIC向けの単語帳です。この本から、先生の声で『これ、次の試験に出すぞ』と聞こえてきそうなほど、本当に試験に出てくる単語ばかりです。私は改訂版まで買ってやり込んでしまいました。

金フレ2冊

この本のお陰で、長文問題への苦手意識がなくなりました。金フレと銀フレを覚えてしまえば、試験本番で「はじめて出会う単語」がほとんどなくなり、英文を読むのが相当楽になりますよ。

勉強をはじめたばかりの方は、『銀のフレーズ』から取り組むのをお薦めします。

具体的な使い方は、

1周目は、1から400まで、赤文字の単語と発音記号と意味だけ読む

2周目は、1から400まで、左のフレーズを読む

3周目は、1から400まで、右端の説明文を読む

4周目以降は、無理に覚えようとしなくていいが、毎日ながめる

続けていると、どこかで『いま、やる気があるから、本気で覚えちゃおう』というモードになることがあります。それまでは、ゴリゴリっとした暗記を無理にしようとせず、気楽に続けることだけ意識してみてください。

単語1つ覚えることは、ほんとうに小さな小さな一歩ですが、他のトレーニングと違って、確実に効果の出るトレーニングです。単語にかけた努力は、絶対に裏切りませんよ。

TOEIC800点達成するための単語帳は、金フレと銀フレの2冊で十分ですが、どうしても他の単語帳も欲しいという方への購入時のアドバイスです。単語帳を買って、中身をパラパラ見た時に「半分以上知っているな」と感じたら、その本があなたに丁度いい本です。逆に、良くないのが「自分が知らない単語ばかり載っている単語帳」を買うことです。これだと、大抵の人が挫折します。半分以上知っていれば、残り半分を覚えればいいだけですから、その1冊をやり終えられる確率は上がります。この「1冊やり切れる」ことが一番重要です。その達成感を味わうと、単語帳が好きになりますよ。

以上になります。

この3つの学習を終え、後は少しTOEIC対策するだけで、500点近い点数がとれるようになっています。自信を持って続けていきましょう。