はじめに

G検定について

G検定について

G検定とは「ディープラーニング・ジェネラリスト検定」のことで、人工知能とディープラーニングを理解し、自分のビジネスに活用できる人材を育成することを目的にした試験です。

表にまとめてみました。これだけ知っておけば十分です。

※2021年4月下旬に「新しいシラバス」が発表され、5月には新シラバスに対応した『公式テキスト第2版』が発売されました。

試験日 2022年 3月5日、7月2日、11月4日・5日
試験方式 ネット接続しているパソコンを使って受験
申し込み先 https://www.jdla-exam.org/d/
判定 合格、不合格
試験時間 2時間
問題数 191問(変わる可能性あり)
1問にかけられる時間 約 38秒
出題範囲 公式サイトのシラバス
問題集 『公式テキスト 第2版』、他(過去問題集はない)
難易度 難しい
合格率 高い
合格ライン 公表されていない
受験料 一般13,200円、学生5,500円(2年以内の再受験なら半額
合格不合格通知が届く日数 試験日から2週間前後
運営 日本ディープラーニング協会(JDLA)
理事長 松尾豊さん(『人工知能は人間を超えるか』等の著者)
会員 AIの第一線で活躍される企業が正会員を務めています。そして、トヨタ自動車、グーグル、ドコモ、野村ホールディングス、日立システムズなど、錚々たる大企業が賛助会員となっています。
https://www.jdla.org/membership/
試験日 受験者数 合格者数 合格率
2017 #1 12/16 1,448 823 56.8%
2018 #1 6/16 1,988 1,136 57.1%
2018 #2 11/24 2,680 1,740 64.9%
2019 #1 3/9 3,436 2,500 72.7%
2019 #2 7/6 5,143 3,672 71.3%
2019 #3 11/9 6,580 4,652 70.7%
2020 #1 3/14 6,298 4,198 66.6%
2020 #2 7/4 12,552 8,656 68.9%
2020 #3 11/7 7,250 4,318 59.5%
2021 #1 3/20 6,062 3,866 63.7%
2021 #2 7/17 7,450 4,582 61.5%
2021 #3 11/6 7,399 4,769 64.4%
2022 #1 3/5 6,760 4,198 62.1%
2022 #2 7/2 6,398 3,917 61.2%
合計 68,286 44,912

・現在AIに関わっていない営業職・企画職の方で、キャリアアップを考えている方
・AIを採用しようとしている経営者・総務・人事の方
・AIを体系的に理解して仕事をしたいエンジニアの方
など、幅広い人たちが受験しています。

合格することで、得られるもの

・合格証
・名刺などに載せられる「合格認証ロゴ」
・合格者コミュニティ「CDLE」への招待(Slack)
・『JDLA資格試験 合格者の会』への招待

この記事では、7月2日に日本ディープラーニング協会(以下JDLA)が主催した「JDLA資格試験 合格者の会」の参加レポートをお届けします。 今回の合格者の会は、初となるG検定合格者・E資格合格者共同での開催で、700名近くが参加し、大いに盛り上がりました。 増加する合格者、ディープラーニング活用の渦がここから巻き起こる

 

次に「どんな問題が出るのか?」を見ていきましょう。

問題:空欄に当てはまる語句の組み合わせとして最も適しているものを1つ選べ。

教師あり学習の問題は出力値の種類によって、大きく2種類に分けられる。(A) 問題は出力が離散値であり、カテゴリーを予測したいときに利用される。一方、(B) 問題は出力が連続値であり、その連続値そのものを予測したいときに利用される。

1. (A) 限定 (B) 一般
2. (A) 部分 (B) 完全
3. (A) 分類 (B) 回帰
4. (A) 線形 (B) 非線形

これは公式サイトに「例題」として公表されているもので、実際の試験で出題された問題ではないのですが、雰囲気はつかめると思います。

試験問題の全部もしくはその一部において、漏えいにつながる一切の行為、またはそのおそれのある行為は禁止されています。|G検定 受験サイト利用規約 第8条「禁止行為」

 

最後に、この試験を運営している日本ディープラーニング協会理事長の「松尾先生」が、G検定にどういう狙いを込めているのか?を見ていくことにしましょう。

質問:ネット上では「資格ビジネスではないか」というような厳しい見方もあります。

松尾先生:漢字や英語など、国民のほぼ全員に関係するような資格であればビジネスになるかもしれないが、深層学習の裾野はそこまで広くはない。やってみたらわかるが、全くお金にならない(笑)だが、深層学習を活用しようとするようなユーザー企業からは好意的だ。経営層が自分たちで資格をとりたいという声も聞く

質問:G検定はジェネラリストのGということで、幅広い方が対象になると考えていいのか?

松尾先生:どちらかというと、ユーザー企業さんが対象になると思う。僕は、日本のITの大きな問題は、ユーザー企業側のリテラシーが低いところだと思う。いい技術を持った企業があってもそれを見抜けないので、いい技術を持ったベンチャーが育たず、イノベーションが生まれない。日本でディープラーニング産業を伸ばすには、ディープラーニングを活用するユーザー企業側のリテラシー向上が不可欠だと思っていて、そういう意味でG検定がある。E資格のほうは、実際に人工知能の実装に関わるエンジニアが対象になる。

質問:今後ディープラーニングとは全然違う、新しい人工知能技術が登場する可能性もあるのではないだろうか? その場合、「日本ディープラーニング協会」という名称が足かせになるようなことはないのか?

松尾先生:そういうことはないと思う。ディープラーニングはトランジスタみたいなものだと思っている。トランジスタはICになり、LSIになり、PCに入ったり、スマホに入ったりと進化している。でも、トランジスタがなくなることはない。

質問:協会として2019年度に取り組んでいく施策は?

松尾先生:検定・資格の試験の英語化が求められている。特にジェネラリストのG検定で顕著だ。ディープラーニングの検定や資格の試験は、日本にしかない。なぜかと言えば、ディープラーニングは進化が早すぎて試験になんてできるような状況ではないからだ。日本では試験にしないと勉強しないので、無理やり試験に仕立てた。(中略) 英語で試験が受けられるようになれば、世界中から日本に試験を受けに来るようになるかもしれない。英語化については、チャレンジしたいと思っている。

松尾先生としては、受験者には単に合格を目指すのではなく、合格後も勉強してビジネスへの活用やAIの発展を目指してほしいという思いをG検定に込めているようです。